お知らせ
2025/05/16
その他○○の時にどうすれば良いだろう…
こんにちは!
ご家族の体調が悪いときに、
「どんな時に受診すればよいか迷う」
「今の状態は危険な状態なのだろうか…」
「1回吐いたけど、その後は元気だし、様子を見てよいだろうか…」
こんなことを考えたことはございませんか?
病院に行こうと決めることは意外と難しいと思います。
そこで、テーマ毎に「こんなときどうすれば良いのか…」という疑問の解消を目的に記事を作ってまいります。
是非、体調でお困りの際には参考にして頂き、何かわからない点がありましたらご連絡ください!
今回は「下痢」についてお話します。
下痢を見つけた時にはまず○○をしてください!
下痢には「小腸性」と「大腸性」という分類があり、原因により下痢の特徴が変わります。
以下の表に全てが当てはまるわけではありませんが、分類を行うことで、どこが原因で、どこを優先して検査した方が良いかを考えていきます。
ご来院の際は、表をご参考頂き、どんな特徴があるかを考え、どんな検査をしたら良いかを一緒に考えていきましょう。ウンチの写真や現物をお持ち頂くと、より分かりやすいですよ。
飼い主様の中にはウンチ手帳をお作りになっている方もいらっしゃいました!
特徴 | 小腸性 | 大腸性 |
便の量 | 正常~増加 | 正常~減少 |
便中の血液 | 時々あり | なし |
しぶり | なし | あり |
便中の粘液 | なし | あり |
腹鳴音 | なし | あり |
その下痢はいつから?どんな時に?
その下痢はいつから、どんな時に始まったでしょうか?
例えば、
・昨日から急に下痢になった
・1週間前からいつもより柔らかい便になり、どんどん下痢になってきた
・他の病院で下痢止めをもらっているが良くならない
・食事を変えたらそこから下痢になった
・お引越しやリフォーム等で環境の変化があってから下痢になった
その他にも、
・最近、痩せてきているような気がする
・食欲はあるが下痢をしている
・食欲もなく、下痢や嘔吐もしている
など、それぞれご事情は違うと思いますので、色々お話を詳しくお聞かせください。
原因は腸だけじゃない!
「下痢」の原因は腸だけではありません!
もちろん胃腸炎も一つですが、そのほか食物アレルギーや腸内細菌バランスの乱れ、寄生虫、膵臓疾患やステロイドホルモンや甲状腺ホルモンの異常、腫瘍性疾患など、原因は多岐に渡ります。併発する症状、犬種や猫種、その子の年齢、予防歴など、総合的な情報を合わせて検査計画、治療計画を立てることが勧められます。
もちろん、検査をしなければ何も出来ない、というわけではありませんので、飼い主様、ご家族様に合った検査、治療方針を一緒に考えていきましょう。
いかがでしたでしょうか?
実は、「下痢」という症状は奥が深く、一言では言い表せられないことがたくさんあります。今お話しした内容もほんの一部にはなりますので、お悩みがありましたら早めのご受診を検討してみてください。
毎年の健康診断も、健康に過ごすためには重要になりますので、いつでもご相談ください!
皆さまのワンちゃん、ネコちゃんのご健康を心より願っております。
この記事を書いた執筆者
動物病院西谷院長 野呂嵩大
略歴
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後、日本動物高度医療センターの泌尿器・消化器科に勤務。その後、横浜・横須賀の動物病院での経験を経て、サーカス動物病院皮膚科研修医として研鑽を積む。2023年に日本獣医泌尿器学会泌尿器認定医を取得し、現在はサーカス動物病院 総合診療科・皮膚専門診療および日本動物高度医療センター 泌尿器・消化器科にて診療を行う。2025年3月から動物病院西谷の院長に就任。