症例
2025/04/02
外科 腎泌尿器科猫の膀胱結石摘出
- 犬種・猫種 スコティッシュフォールド
- 年齢 5歳
- 症状
- #血尿
- #頻尿
- #排尿時疼痛

症状および経過
頻尿、血尿、排尿痛、トイレ以外での排尿行動を主訴に受診。レントゲン検査、腹部超音波検査、尿検査より、「膀胱結石(シュウ酸カルシウム結石)」による症状であると診断。
治療法
外科手術による膀胱切開、膀胱結石摘出
治療経過
診断から7日目に手術を実施。退院後より、徐々に頻尿などの泌尿器症状は消失し、退院から14日目での抜糸時では臨床症状は認められなかった。その後も、定期的な尿検査を実施し、経過観察を行っている。
病気について
膀胱結石や尿道結石などによる症状を、「下部尿路症状」と言い、このような下部尿路疾患は猫において日常的に認められる疾患です。
膀胱結石が膀胱に存在することにより、膀胱粘膜に対して物理的なダメージが及ぼされることで、いわゆる膀胱炎の症状が発生します。この症例も同様に、結石による物理的な刺激に伴い症状が出ていると判断され、手術による結石摘出を行うこととしました。
手術後には排尿症状は正常に戻り、現在も定期的な尿検査を行いながら経過観察をしています。
一言で膀胱炎症状と言っても、原因により治療法は異なります。
例えば、細菌性膀胱炎による影響であれば抗菌薬での内科治療により改善が見込めますし、ネコちゃんに特有の特発性膀胱炎(ある種のストレス性膀胱炎)では抗菌薬での治療は無効であり、生活環境の改善などが必要となります。
また、膀胱結石にも様々な種類があり、シュウ酸カルシウムと同様に多くみられる結石の中に、「ストルバイト結石」がありますが、この種類に関しては食餌療法による治療効果が期待できます。(泌尿器科の詳細は泌尿器科ページにて掲載します)
当院では原因に合わせた治療法のご提案を大切にしております
ご家族の健康でご不安な点がございましたら、是非一度ご相談ください。
この記事を書いた執筆者
動物病院西谷院長 野呂嵩大
略歴
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後、日本動物高度医療センターの泌尿器・消化器科に勤務。その後、横浜・横須賀の動物病院での経験を経て、サーカス動物病院皮膚科研修医として研鑽を積む。2023年に日本獣医泌尿器学会泌尿器認定医を取得し、現在はサーカス動物病院 総合診療科・皮膚専門診療および日本動物高度医療センター 泌尿器・消化器科にて診療を行う。2025年3月から動物病院西谷の院長に就任。
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