胆嚢粘液嚢腫のトイ・プードル - 動物病院西谷

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症状および診断

急激な活動性低下、食欲低下、嘔吐を主訴に受診。血液検査では重度の黄疸を示し、画像検査にて胆嚢粘液嚢腫、総胆管拡張が認められた。

治療法

黄疸の低下を期待して胆嚢摘出、総胆管洗浄、肝生検

治療経過

診察2日目に胆嚢摘出、肝生検を実施。翌日より黄疸の数値は改善傾向にあり、術後3日目には黄疸は正常値まで良化。5日間の入院を経て活動性や食欲は正常まで回復したため退院。その後も定期的な血液検査にて経過を見ている。

この病気について

胆嚢は肝臓で生成された胆汁成分を貯留する袋状の構造物です。通常、胆汁は液体状ですが、「ムチン」というネバネバな物質が混入することで、徐々に固形状に変化します。

「胆嚢粘液嚢腫」とは、胆嚢内の胆汁成分が、ムチンにより固形へと変化している状態を指します。固形に変化しているだけなら、「無症候性」=無症状の可能性もありますが、肝臓~胆嚢~総胆管~十二指腸に至る胆汁排泄経路において異常をきたした場合、主には黄疸やそれに伴う食欲の低下、嘔吐などが引き起こされます。

また、最悪、胆嚢破裂を起こすことで、命に関わる状態になりかねません。

胆嚢粘液嚢腫に対する治療法としては、「内科治療」「外科治療」に分かれます。

①内科治療

胆嚢内に過剰に蓄積された胆汁を排泄させるために、胆汁生成を促したり、胆汁排泄を促すことが勧められます。

また、胆嚢粘液嚢腫を助長される基礎疾患=高脂血症、甲状腺機能低下症、クッシング症候群などがある場合は、同時並行で治療を行います。

②外科治療

胆嚢摘出を行います。胆嚢破裂を起こす前に手術に踏み切ることで、周術期リスクがやや下がることが報告されているので、早期診断、早期治療がカギとなります。

しかし、上述の「無症候性」の場合、手術をした方が良いかという疑問にはまだ答えは出ていません。

「胆泥症」という似た症状もありますが、治療の考え方は異なります。

胆泥症についてはまた別の記事で取り扱いますね!

この記事を書いた執筆者

動物病院西谷院長 野呂嵩大

略歴

日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後、日本動物高度医療センターの泌尿器・消化器科に勤務。その後、横浜・横須賀の動物病院での経験を経て、サーカス動物病院皮膚科研修医として研鑽を積む。2023年に日本獣医泌尿器学会泌尿器認定医を取得し、現在はサーカス動物病院 総合診療科・皮膚専門診療および日本動物高度医療センター 泌尿器・消化器科にて診療を行う。2025年3月から動物病院西谷の院長に就任。

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